イーツーネット病診連携協議会
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静岡志願疾患地域連携協議会(S-NET)について

静岡市は平成15年に旧静岡市(現葵区・駿河区)と旧清水市(現清水区)が合併して生まれた人口約72万人の政令指定都市で、がんの診療を行う医療機関が総合病院と診療所だけで民間の中小規模の病院が無いことが特徴です。それぞれの医師会は合併前と変わらず静岡市静岡医師会(以後静岡医師会)と静岡市清水医師会(以後清水医師会)のまま活動を行っています。旧静岡市では平成19年5月に旧静岡市内の公的5病院(静岡県立総合病院静岡市立静岡病院静岡赤十字病院静岡厚生病院静岡済生会病院)と静岡医師会・静岡市薬剤師会・静岡ケアマネ協会・ 葵区駿河区看護ステーション連絡会が協力し、がん疾患の診断から術後、さらに症例によっては在宅緩和看取りまでを病院と地域(診療所・薬局・訪問看護ス テーション・ケアマネ)が共通の認識のもとに、切れ目の無い治療を行うための『静岡市がん疾患地域連携協議会(S-NET)』を発足させました。

現在、イーツーネットでは

  • 胃がん・大腸がん・乳がん・肺がんの5病院術後共通パスを中心とした、がん術後患者の病診連携(イーツーネット)
  • 在宅緩和ケア
  • 診療所でのがん化学療法

などを検討・協議のうえ運用しています。

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静岡医師会は以前より『イーツー(医-2)ネット』の名称で、診療所と病院との2人主治医制による病診連携を積極的に行ってまいりました。同時期に病院でも、がん診療拠点病院や地域支援病院の設置、がん対策基本法などにより病診連携や在宅緩和ケアのネットワーク構築を必要としました。その様な状況下において静岡医師会は静岡市立静岡病院と約8か月の協議の後、平成18年12月より胃がん・大腸がん・乳がんの術後パスを用いた病診連携を開始しました。同時期に静岡県立総合病院と術後パス、静岡赤十字病院は在宅緩和ケアそ れぞれの分野での協議・検討を開始します。しかし、それぞれの病院と異なったツールで連携を行うのは診療所にとっては非常に煩雑になるため、静岡医師会は 5病院に共通したパスの作成と運用を提案し、平成19年2月に5病院の医師らと『5病院共通パスを検討する会』を開催しました。その際に病院医師より病院 内の診断治療はお互い切磋琢磨するも、地域との連携はなるべく同じシステムが望ましく、術後のパス運用だけでなく地域のがん診療の諸問題を検討する会にし ようとの意見が上がり、名称も『静岡市がん診療地域連携協議会(S-NET)』へと改名します。その後静岡市薬剤師会・静岡ケアマネ協会・葵区駿河区看護ステーション連絡会の参加を得て、平成19年5月に第1回総会を開催したのち活動を開始します。

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共通パスは、既に運用を行っている静岡市立病院とのパスを基本に作成する事を、静岡市立病院が快諾して下さったことによりスタートすることができました。 各病院の胃がん・大腸がん・乳がんの疾患別担当者を決め、医師会の疾患別担当者とともに検討会を1回行いました。その後はメーリングリストを作成し、ネッ ト上で検討協議し胃がん・大腸がんは早期・進行がんそれぞれ5年間のパスを、乳がんは10年間のパスを作成します。(パス発行時 病院再来院時)

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運用患者の適応は、基本的にはなるべく安全に開始することを考慮し、共通パスシステムは単に共通パスを用いるだけでなく

  • 共通登録医制
  • 定期受診案内
  • 安心カードの発行
  • 医師会事務局と病院連携室での患者管理

などの共通システムがあります。

共通登録医制とは、診療所は共通パス運用が可能な疾患を、さらに内服抗がん剤使 用・往診・在宅緩和・看取り等の可否を登録する制度です。その情報(名簿)は医師会事務局で管理され定期的に各病院に配布・報告されます。病院はその情報 を参考に、今までかかりつけ医を持たない患者さんにあっても連携診療所を簡単に探すことが可能になりました。

定期受診案内は、パスによって定められた病院受診時期が近付くと病院から診療所に連絡するシステムであり、通常FAXを用いて行われます。これにより確実に定期的な連携が、さらに患者さんのドロップアウトを防止することが可能となりました。

安心カードとは、各病院が発行したカードを持っていれば、如何なるときでも救急に対応するとしたもので、患者が診療所に逆紹介された際に、「病院との関係が無くなってしまうのではないか」と言った患者さんの不安を取り除き、診療所の弱点である夜間の救急に対応するシステムです。

これらのシステムはすべて病院の地域連携室と医師会事務局で管理されており、今後も病診連携を円滑に行うには事務方の強力なパワーが必要であることを強く再認識するものであります。なお、定期受診案内安心カードの発行、医師会事務局と病院連携室での患者管理は静岡の病診連携に於いて共通したシステムを用いています。